「埴輪」は古墳時代を象徴する考古資料で、各地の古墳にはさまざまな形の「埴輪」が立て並べられ、墳丘を飾っていました。その「埴輪」の起源として考えられているものが「特殊器台」と呼ばれる、弥生時代後期の吉備で祭祀に用いられていた、特殊な文様や赤彩が施された大型の器台です。これが初期ヤマト王権の墓制の中に取り入れられ、「埴輪」へと変化をとげます。
本展覧会では、近畿で出土した埴輪の成立に関する資料を一堂に集めて展示します。また、吉備の特殊器台の代表的な資料もあわせて展示します。そして、大和で特殊器台が登場するようになった背景や、特殊器台から埴輪への移り変わりの過程を考えていきます。