愛知県は瀬戸、常滑が古くから陶器の産地として知られ、桃山時代に美濃で焼かれた黄瀬戸、志野、織部は茶人に愛されてきました。絵画においては名古屋城築城により、江戸から一流の絵師が派遣され障壁画を制作し、藩の御用絵師が登用されるほか、経済的にも文化的にも恵まれた土地柄により、町人階層の絵画制作や享受が活発に行われました。
新春展では、一階展示室にて江戸時代後期から現代までの、愛知県、岐阜県にゆかりのある画家の作品を展示します。近世名古屋画壇で活躍した山水画の中林竹洞や、尾張出身の復古大和絵の祖・田中訥言から、川合玉堂、前田青邨など近代日本画の巨匠による軽妙で味わい深い作品をご覧いただきます。
また二階展示室では志野や織部のほか、近世瀬戸の名工といわれた加藤春岱や、尾張藩士でありながら作陶に秀でた平澤九朗、さらに明治から昭和にかけて瀬戸や美濃を活躍の場とした陶芸家の作品を展示します。