愛荘町岩倉にある仏心寺は、そのむかし金臺寺と呼ばれ、平安時代後期の説話集『今昔物語集』や室町時代の「矢取地蔵縁起絵巻」に登場する〝矢とりの地蔵〟を祀ることで広く知られています。
また、本堂に隣接する観音堂には木造聖観音立像が安置されていました。同像は昭和58年(1983)の調査において、光背裏面に貞応元年(1222)の造像銘が確認され、頭部X線透過撮影では胎内仏の存在が明らかになりました。
この〝秘めたる観音〟こと木造聖観音立像は平成21年(2009)に保存修理が行われました。その結果、胎内仏は総高7.7センチメートルの金銅菩薩立像と判明し、面紗で覆い隠された同像の姿を垣間見ることができました。
本展示会では保存修理を終えた木造聖観音立像(重要文化財)と初公開となる胎内仏(平安時代)、併せて木造地蔵菩薩立像(重要文化財)、「紙本著色矢取地蔵縁起絵巻」(町指定有形文化財)などの什宝を展示します。