鳥取県日野郡二部村(現・伯耆町)二部出身の辻晉堂(つじ・しんどう 1910年~1981年)は、第二次世界大戦後、陶などによる斬新な彫刻作品を世に問い、戦後の彫刻界に独自の位置を占めた彫刻家です。2010年が辻の生誕100年にあたることを記念して開催する本回顧展は、その創作の軌跡を各時代の代表作を中心にたどりながら、日本の彫刻史における辻の位置、さらには現代陶芸に辻がもたらしたものについて、今あらためて見つめ直す機会を提供しようとするものです。
大規模な回顧展としては27年ぶりとなる本展では、国内の美術館および個人などが所蔵する代表作を中心とした約120点の作品により、彫刻のありようを常に問い続けた辻の全体像を紹介します。