パピエ・コレやコラージュの技法を駆使して、独自の抽象絵画を確立した画家若松光一郎(1914-1995)が没して15年。今なお内外で高く評価される音楽的で色彩豊かな表現の軌跡をたどり、彼の創造の根幹に迫る回顧展を開催します。
特に今回の展覧会では、40歳代の後半に差し掛かった頃に具象から抽象に移行した時期の、抽象への試行の過程を示す貴重な作品群と、伸びやかで溢れんばかりの暖色に満ちた晩年の作品、それら抽象表現を支えたデッサンやスケッチの数々が大きなハイライトになります。
当館では1985年に個展を開催しています。今回は、その後の調査や研究で明らかになったことについても紹介します。