「高松コンテンポラリーアート・アニュアル」は,独創性,将来性のある作家を発掘・紹介する年に一度のグループ展。パイロット展「Vol.00」と位置づけた昨年に続き,本年は「Vol.01」として本格開催します。
今回のテーマ「もうひとつの・カーニバル」は,瀬戸内国際芸術祭との連携と対比を意図したものです。多島・他地域に渡る広い空間を使用した芸術祭と連携しつつ,都市的・近代的な箱としての美術館という対比的な場所を活かした,もうひとつの祝祭としての展覧会を構成しました。
出品作の特長は,作品そのものにも「もうひとつ」のしかけ,「もうひとつ」の枠組みが仕込まれていることです。今回紹介する5名(+ゲストダンサー1名)の作家による,そうした複数の視点から生まれる新鮮な表現は,かつてない経験を私達に与えてくれるでしょう。
カーニバルは大勢の人々を夢中にさせ明日への活力を与えてくれますが,祭の時間はいずれ終わりを迎えます。しかし芸術表現は,展示そのものが終わっても,長くそれを体験した個人を癒しあるいは沸き立たせることができます。本展を見ることで,そうしたもうひとつの,心の中のカーニバルが出現することになれば幸いです。