カメラの歴史は紀元前にまでさかのぼります。壁にあいた小さな穴から光が入り、外の風景が反対側の壁に映し出される。この原理を応用した道具が作られ、ラテン語の「暗い部屋」を意味する「カメラ・オブスクラ」と名付けられました。この道具は、古くから絵を描くのに使われていましたが、そこに映った映像を、なんとか紙に定着させる方法はないか・・・、19世紀に入り、多くの科学者が挑戦を続けていました。 1826年、フランスのニセフォール・ニエプスが世界で始めて写真の撮影に成功してから、カメラは飛躍的に進化を遂げその活躍の場を広げていきます。感光材料の発達に関わって本展ではカメラが輝いていた時代を仮に、カメラがそれらしいメカニズムを持ち始めた1890年代から、電子化とプラスチック化が進んだ1960年代までと定義し、この時代に生み出された数千ものカメラの中から当館所蔵の名機を厳選して一堂に紹介します。