本年秋に、岡山県では文化・芸術の一大祭典である「第25回国民文化祭・おかやま2010」を県下すべての市町村に広がる会場を舞台に開催します。当館ではこの国民文化祭に協賛し、その開催時期にあわせて、平安時代から現代に至るまで約1000年に及ぶ時間を横断して岡山ゆかりの美術を取り上げる特別展覧会「岡山・美の回廊」を開催します。
この展覧会では、岡山の文化を「歴史と地域をめぐる」「人と人をつなぐ」「未来へとのびる」回廊として捉えています。出品作品数はおよそ200件。国宝5件。重要文化財24件を含みます。
岡山県を代表する平安・鎌倉時代の仏像・神像に始まり、墨筆を駆使して「書」をしたためた寂室元光や良寛、「水墨画」を描いた雪舟や宮本武蔵・浦上玉堂らに続きます。そして欧米との出会いによって劇的な変動を体験した洋画や日本画などの近代の美術を経て、現代の絵画・彫刻・工芸・写真、さらにそれらのジャンルを超えて制作されるインスタレーション等の多彩な表現に至るまで、滔々と流れる美術の流れを紹介します。それは出身者と来訪者とによって脈々と培われてきた岡山の豊かな文化的土壌を再認識する絶好の機会であり、現在を知り、未来への展望をうかがうまたとない機会となるでしょう。