アレクサンドル・ロトチェンコ(1891-1956)、ワルワラ・ステパーノワ(1894-1958)は、1910年代に起こった「芸術の革命」におけるロシア構成主義の代表的な作家たちです。ふたりは、1917年のロシア革命に頂点を迎えた社会の変革と連動し、芸術とデザインの領域にまたがって、絵画、空間構成、建築、室内デザイン、舞台デザイン、テキスタイル、本や雑誌の装丁、企業や映画のポスターなど、様々な分野での仕事を手がけていきました。また、ロトチェンコは、当時新しいメディアであった写真にも取り組み、友人たちの肖像や都市の表情を、鮮やかな構図のなかに写し取りました。今回は、モスクワのプーシキン美術館と、A.ロトチェンコ&V.ステパーノワ・アーカイヴの所蔵品170点により、公私にわたって生涯のパートナーシップで結ばれていたロトチェンコとステパーノワのヴィジョン(まなざし)を、ご紹介します。また、宇都宮美術館では、岐阜県現代陶芸美術館に所蔵されているテキスタイル、陶磁器、「パリにおける現代装飾・産業美術国際展」の家具などの実制作・再制作を特別に同時展示いたします。