近代イタリア統一後の最初の首都となり、冬季オリンピックの開催でも知られるイタリア北西部の都市トリノ。ここに、ロンドンの大英博物館やパリのルーヴル美術館などと比肩する世界屈指のエジプトコレクションがあることをご存じでしょうか。トリノ・エジプト博物館は19世紀、ナポレオンのエジプト遠征に従軍し、フランスのアレクサンドリア総領事となった外交官でエジプト学者のベルナルド・ドロヴェッティの収集品を中心に創設されました。本展では、同博物館のコレクションを初めて日本で紹介します。大型彫像やミイラ、彩色木棺、パピルス文書、ステラ(石碑)、など選りすぐりの約120点が一堂に並びます。現地トリノでは、アカデミー賞受賞美術監督ダンテ・フェレッティによる、照明と鏡を駆使した彫像ギャラリーの演出が注目を集めています。日本でも、現地の演出法を取り入れ、2メートル級の大型彫像をドラマチックに演出します。