四季折々の自然や人々の暮らしを、豊かな造形と意匠によって表現した日本美術。そこにみる高度な技術や繊細な美意識、身近な動植物へのあたたかいまなざしは、今に生きる私たちに誇りを与え、親しみや安らぎをもたらしてくれます。とくに日本の歴史と文化の中心であった京都では、時代を超えて日本の美術の枠が育まれ、雅(みやび)のこころが受け継がれてきました。平安・鎌倉時代の物語絵や神仏像、室町・桃山時代の水墨画や茶の湯、江戸時代に花開いた琳派など、今なお光り輝ける古都の文化には、世界の人々を魅了するパワーが秘められているようです。
京都・細見美術館は、弥生時代の土器から近代の琳派画家作品まで、日本の美術工芸のほぼ全ての分野・時代を網羅する優れたコレクションを有することで知られています。本展ではその細見美術館から、俵屋宗達や尾形光琳ら、華麗な作品で知られる「琳派」と、ユニークな画風で人気の高い「伊藤若冲」など、雅な美意識に彩られた作品約90点を展示します。
重要文化財を含む貴重な作品の数々が北海道で公開されるのは初めて。この機会にぜひ、日本美術の魅力を味わい、雅の世界をご堪能下さい。