風景画家として数々の足跡を残した中村善策は、出身地小樽をこよなく愛し、地域色の濃い北国の港町の風景をおおらかに明るく表現 したことは、小樽市民の喜びであり、誇りでもあります。本展は、当館収蔵のコレクションを選りすぐって紹介するものです。あらためて中村善策の風景画から、新たな 感動を呼び起こすことでしょう。 日本を代表する風景画家中村善策は、自然の中に身を置くことから、風景との対峙が始まると考え、殊に生まれ故郷の小樽には深い愛着を示し、「小樽は日本有数の画因を蔵している」と語っている。中村善策は、まさに海、運河、港と起伏に富んだ地形に点在する家並みという景観をもつ小樽が育んだ画家といっても過言ではないだろう。