泉屋博古館は、住友家が蒐集した美術品を保存、展示する美術館として、昭和35年に発足、平成14年には東京六本木に分館を開設し、平成22年に創立50周年を迎えます。
住友家の美術品で最も有名なものは、15代住友吉左衞門友純(号・春翠)が明治中頃から大正期にかけて蒐集した中国古銅器と鏡鑑ですが、他に中国・日本の書画、洋画、近代陶磁器、茶道具、文房具、能面・能装束など、大変広い範囲に及びます。その多岐にわたる所蔵品の中から、本展では、茶道具の名品を展示いたします。茶入、茶碗など特に唐物に名品が多くみられますが、ここからは中国美術への造詣の深さが感じられます。この展覧会を通じ、稀代の数寄者住友春翠の美意識を感じ取っていただければと思います。