五月場所は力士が衣替えをする場所です。あわせの着物から夏用のひとえの着物を身にまといます。中でも幕内力士は夏の季節の場所入りで、色鮮やかな絹地に自分のしこ名を白く染め抜いた着物、「染め抜き」を着ることができます。好みの色や模様で意匠をこらした染め抜きを着て、さっそうと場所入りをする力士の姿からは粋な風情が漂います。
「関取の場所入り展」では、千代大海、栃東、出島の元大関をはじめ、最近まで現役で活躍した幕内力士が実際に使用した染め抜きや化粧廻し、自筆による書を展示いたします。風薫る季節にすがすがしさを感じさせる力士の染め抜きをご覧いただければ幸いです。