フィルムセンターが新たに発掘・復元した映画を紹介する企画「発掘された映画たち」は、1991年の開催から数えて、今回で8回目を迎えます。これまでの上映では、1990年度に寄贈された小宮登美次郎氏の外国無声映画コレクションをはじめ、1996年にロシアのゴスフィルモフォンドで発見された戦前の日本映画、2007年に発見された現存する日本最古のアニメーション映画『なまくら刀』(1917年)、現存最古の日本映画で昨年映画フィルムとしては初めて重要文化財に指定された『紅葉狩』(1899年)、最新のデジタル技術を用いた『羅生門』(黒澤明監督、1950年)の復元プリント(今年の全米映画批評家協会賞で「映画遺産賞」を受賞)などをお披露目してきました。
フィルムセンターの開館40周年を記念する上映企画の第1弾となる今回は、当センターはもちろん、国内各地のフィルム・アーカイブ機関・団体による最新の発掘・復元の成果や担当者のトークもまじえながら、我が国における映画保存運動の最前線を検証します。この企画を通して、文化財・歴史資料としての視聴覚遺産を保存することの大切さを再認識するきっかけにしていただければ幸いです。