女性の肉体は表層的、知的な曲線で描き、華麗なモード写真では広角レンズでドラマ性を内に秘め、風景写真においては特有のミステリアスな光景を描き続けてきたジャンルー・シーフ。現役で活動中だった彼の訃報から、早くも10年の歳月が流れました。
本展では、写真家でシーフのモデルも務めたバルパラ夫人によって選りすぐられたシーフの未発表作品を初公開いたします。1950年代、21歳の若さで『ELLE』のルポルタージュから出発し、以来、時代が経過しても何ら古臭さを感じない写真を数々残したシーフ。名作コーナーでは、人々の記憶にある珠玉の代表作も展示いたします。最後まで固有の表現方法、いわば独自のスタイルを貫き通したジャンルー・シーフの世界は、ファンにとっては待望の貴重な展示となることでしょう。