「ぞうさん」「やぎさん ゆうびん」「一ねんせいに なったら」などで知られる周南市出身の詩人、まど・みちお(本名 石田道雄)は今年11月16日に100歳を迎えます。まど・みちおは、1909(明治42)年徳山町西辻(現在の周南市辻町)に生まれました。戦前は台湾総督府につとめながら「コドモノクニ」「綴り方倶楽部」などに投稿し、北原白秋に童謡や詩を学びました。また戦後は幼児雑誌の編集に携わった後に独立、1968(昭和43)年に初めての詩集『てんぷらぴりぴり』を出版して以来、現在まで現役の詩人として活躍しています。彼の詩の底流にある「人も自然も物もみんな同じ」という独特の価値観は、9歳までを過ごしたふるさとでの原体験により形づくられたといっても過言ではありません。1994(平成6)年には日本人初の国際アンデルセン賞作家賞を受賞するなど詩人として世界的にも高く評価されています。その一方で、50歳代はじめに集中して絵画を描いていたことはあまり知られていません。詩人まど・みちおの100歳を記念する本展覧会では、関連資料などから詩人としての原風景をたどるとともに、知られざる画家としての一面にも焦点をあて絵画作品の全貌を紹介し、詩作とは異なる彼の宇宙観にせまります。