祈り・・・。戦争、疫病、飢饉などの社会不安、あるいは病気、老い、死別などへの人間的な苦悩。そうした不安や苦しみからの解放を求めて、人はさまざまに祈りを捧げてきました。
飛鳥時代、朝鮮半島から仏教とともに伝えられた〈仏像〉は、日本人にとってもっとも親しく身近な祈りの対象となりました。
千年以上の長きにわたり、人々の苦悩を見つめてきた仏像。その穏やかな眼差しの向こうにある確かなものは、現代に生きる私たちの心にも響くのではないでしょうか。
石見銀山の世界遺産登録で注目を集める島根県石見地方。その風土が培った歴史文化の水準の高さを示す仏像群が初めて集結する展覧会です。