今日、人々から愛されているセザンヌ、ルノワール、ロダンといったヨーロッパの芸術家は、明治43年に創刊された文芸・美術雑誌『白樺』によって、初めて本格的な紹介がなされました。私たちの西洋美術への愛着の根は、まさしく『白樺』の時代に発しており、今日の美術観にも有島生馬、志賀直哉、武者小路実篤、木下利玄、児島喜久雄といった同人たち「白樺派」の視点が大きく反映されています。『白樺』の誕生100年を迎える今、白樺派がその時代に何を刻印し、私たちの時代に何を残響させているのかを、美術の面から改めて見つめる展覧会です。
本展は、「第1章 西洋美術への熱狂」、「第2章 白樺派の画家たち」、「第3章 理想と友情を求めて」の3章で構成されます。