古くから日本人は、自然の中で、自然と共に生きる習性を養い自然との調和を大切にしてきました。そして、その中から生み出される和紙は、日本文化の形成と発展に重要な役割を果たしてきました。この日本の文化を育んできた和紙の今を見つめ、その美しさや存在を改めて知ることが出来る見本帳が、まもなく完成します。
『日本の心 和紙總鑑』と名付けられたこの見本帳には、北は北海道から南は沖縄まで、現在国内で生産されている和紙が1,070点収められます。その完成に先立ち、当企画展では、ここに収録された中から「手漉き和紙」の数々を展示いたします。昔ながらの製法を守り続けている手漉き和紙をはじめ、さまざまな色や技法でつくられた染紙、漉きこみ紙、千代紙などの模様紙や唐紙など、それぞれに特色のある和紙が勢ぞろいします。
この企画展を通して、匠の技によって生み出される手漉き和紙の素晴らしさをあらためて感じていただければ幸いです。