19世紀に誕生して以来、車は現代の基幹産業として社会に影響をあたえ続けてきました。
車のデザインとは、空力学上の性能や機能性、居住性などはもちろんのこと、その時代の法規用件や社会的ニーズなども加味した上で、斬新かつ魅力的なスタイリングを生み出すことが求められる非常にクリエイティブな作業です。
本展では日本三大自動車メーカーの一つである日産自動車株式会社に特別協力をいただき、公立美術館では初めて、国産メーカーのデザインを年代を追って俯瞰し、そこに戦後日本のモノ作り、デザインをひもといた考察を行います。
歴史を遡ると、日本ではアメリカやイタリアなど海外にデザインを学んでいた黎明期を経て、次第に自国の文化や美意識を反映した独自のデザインが生まれていきます。
スカイラインやフェアレディZなどはその代表例です。これらのクルマはデザインのDNAを受け継ぎながら、現在に至るまで絶えず進化を遂げてきました。
本展では、スカイラインC10型ほか戦後を彩った名車6台の展示をはじめ、オリジナルドローイングやラフデッサン、目にすることの稀なクレイモデルやスケールモデル、また、それぞれのデザインの歴史を紹介します。
会期中10月21日から本年度東京モーターショーの出展物を特別公開するほか、中村史郎氏の講演会、クレイモデル体験講座などを行います。