高橋節郎の作品と、高橋が東京芸術大学で教授を務めていた時に、高橋から教えを受けた5人の漆芸家、並木恒延、三田村有純、小林伸好、佐々木敏彦、佐々木達郎の作品を展示します。
5氏は現在芸術界でさまざまに活躍しています。
並木恒延(1949~)は、大自然の風景や女性を叙情的に表したパネル作品を制作、日展、日本現代工芸美術展に出品しながら、現在までに50回以上の個展を開催するなど、精力的に発表活動をしています。
三田村有純(1949~)は、伝統技法とオリジナル技法を施した立体造形作品を制作、日展、日本現代工芸美術展に出品しつつ、アジアやヨーロッパでの展覧会や漆の調査、講演など、国際交流も盛んに行っています。東京藝術大学教授も務めています。
小林伸好(1953年~)は、塗りの技法の違いによる質感の変化と造形美を追求した漆立体作品を多く発表、日本現代工芸美術展等に出品しています。東北芸術工科大学教授として漆芸の指導にも力を注いでいます。
佐々木敏彦(1951年~)は、漆の本質を浮かび上がらせることをテーマに、質感と色遣いを追及して平面作品を制作しています。長野県出身で現在も県内在住です。各地で個展、グループ展を数多く開催しています。
佐々木達郎(1956年~)は、黒、朱、白色の漆を主に用い、キンマという技法や貝を使った螺鈿技法等で、瀬戸内の自然や情景を表した平面作品を制作し、日展、日本現代工芸美術展に出品しています。
芸術の現在と未来を見つめながら、将来の美の担い手となる人材の育成にも積極的に取り組んだ高橋節郎。彼は5人の教え子に何を伝えたのか、そこから5人が学んだことは何だったのか、そしてそれぞれにどのような個性を開花させたのかを、師弟の作品展示を通じて探ります。
みなさんのご来場をお待ちしております。