1900年、パリ万国博覧会の開催にあわせ、セーヌ河畔に巨大なオルセー駅が誕生しました。時は、まさにアール・ヌーヴォーが華麗に花咲く時代です。この駅舎を改築し、19世紀美術の殿堂として今日公開されているのがオルセー美術館です。本展はオルセー美術館の誇るアール・ヌーヴォー・コレクションから代表的名品約150点を選りすぐって展示紹介します。サロン、ダイニング・ルーム、書斎、貴婦人の部屋へと続く空間に、アール・ヌーヴォー様式の家具、工芸、装飾品などが配され、あたかもパリの豪華な邸宅に招かれたような体験となることでしょう。またこの時代を象徴する人物として、建築家エクトル・ギマールと女優サラ・ベルナールを取り上げます。最後に、パリ高級工芸産業の粋を七宝、陶芸、金工作品で紹介。オルセー美術館のもうひとつの側面に光をあてる本展は、この美術館の魅力を新たに印象づけるものとなるでしょう。