武士は平安時代の中頃に、貴族や寺社などの貴人に仕えるボディーガードとして活躍しました。鎌倉時代以降は、政治の担い手として日本の歴史を動かしてきました。教科書には沢山の武士の名前が登場し、歴史を扱ったテレビ番組や時代劇でも、彼らの生涯や様々なエピソードにふれる機会が多く、私たちはそれぞれに武士のイメージをもっているのではないでしょうか。しかし現実の武士はどうだったのでしょうか。古来、「つわもの」「もののふ」や「いくさびと」とも呼ばれてきた武士本来の役割は、「戦い」にありました。そこでこの特集では「戦う武士」をキーワードにして、肖像画(模本)・甲冑・武家の装束とともに、武士が認めた書状・古文書を展示します。当時の武士が戦いに際してどのような装束を身に着けたのか、また有名な合戦の前後にどんなことを書き残したのかをご覧いただき、豊臣秀吉、上杉謙信などおなじみの武士たちの実像に迫ります。