金GOLDは、いつまでも美しく、輝きのある色彩とともに、やわらかで加工しやすく、腐食しにくい特性を持ち、貴重な金属として古くから多くの人々を魅了してきました。特に、マルコポーロの『東方見聞録』で「ジパング」と呼んだ黄金の国は、コロンブスをはじめ多くのヨーロッパ人にアジアへの夢をかきたてました。
日本は古来、金の産出国として知られ、古墳の副葬品、仏像や仏具、中尊寺金色堂や金閣寺などの建築、蒔絵や絵画などの美術品、大判・小判などに利用され、黄金の文化が花開いていました。
その中で甲斐の国は、戦国時代に武田氏などによって金山が積極的に開発され、甲州独自の通貨「甲州金」が創られ、その鉱山技術は佐渡金山など全国に広がりました。
本展では、金の性質や産地、歴史などに光をあて、あわせて甲斐金山についても紹介いたします。様々な形に姿を変えて人々の生活や文化的営みを支える金の魅力と、金を掘り出し、独自の方法で利用してきた甲斐の人々の技術や文化に触れてみてください。