幼いころから音楽と絵画に親しんでいた島田鮎子は、1954年に東京藝術大学美術学部へ入学し絵画の道を選びます。1949年の藝大発足によって女性の美術学校への入学が初めて認められたばかりの間もないころでした。画家として女性が生きていくには決して平たんではない時代を、静かに、芯を強くもって、たおやかに歩んできました。幾何学的造形によって紡ぎだされるエレガントな画面には、その姿勢や情感が色と形となって表れ、さまざまな表情を生み出しています。現代日本洋画壇で活躍する島田鮎子の初期から最新作までのおよそ60点が、メナード美術館のリニューアル・オープンを彩ります。