若手の写真家・冒険家として活躍している石川直樹氏による写真展。石川氏が2000年から2009年にかけて活動してきた足跡を振り返ります。
石川氏の旅の記録から始まった「写真」は、未知の光景への新鮮な驚きを写し撮るのみならず、それと向き合う直向な眼差しによって、高い精神性を持った表現という領域へと到達しています。先住民マオリの聖地であるニュージーランドの原生林をモチーフとした「THE VOID」、10年にわたる旅のなかで北極圏の現在を活写した「POLAR」をはじめ、いずれの作品も、自然に対する畏怖の念や人間の無力さを感じさせるだけでなく、向き合い・感じるという人間本来の感覚を、見る者の内側に呼び覚まさせてくれます。
TRAVELOGUE 2000-2009と題された本展は、これまでの同氏の足跡を見つめなおし、それに触れることで、新たな石川氏の作品の魅力を再発見できる写真展です。