多様な日本文化の中でも、御所において展開した芸術活動から年中行事に至る営為はその中核をなすものであり、これを積極的に推進したのはほかでもない歴代天皇でした。数多の芸術家や文化人の交わりの中で洗練された美術作品が数知れず生み出されました。また仏教に対する篤い帰依から、それにかかわる仏教美術が醸成されたことも忘れるわけにはいきません。
この展覧会では、京都御所をはじめ宮内庁で伝えてきた品々に加えて、天皇の下賜品や移築された御所建物に付属する障壁画の名品までを一堂に展観するはじめての機会となります。一人でも多くの方々に、雅に彩られた宮廷文化に接していただき、日本の芸術文化への理解を深めていただく機会となれば幸いです。