この度、世田谷美術館では本年度第3期収蔵品展として「難波田史男展」を開催いたします。難波田史男(なんばたふみお)は、画家、難波田龍起の次男として、1941年、世田谷区経堂に生まれました。多感な学生時代、学生運動をはじめとする社会状況の激動に、自分自身の生活、生き方を照らし合わせていきます。そして画家を志すことを決意し、線描画、水彩画、油彩画を描き始めました。繊細な線が自由に走り、かつ、画面を汚すかのように色彩が加えられた作品は、静けさと荒々しさの間で激しく振幅しています。その独自性が早くより高く評価され、将来を嘱望されていましたが、1974年、32歳の若さで他界してしまいました。本展覧会では、当館が収蔵する700点を超える水彩画、油彩画のなかより、難波田史男の世界をご紹介いたします。