屏風は、風を防ぎ、人目を遮蔽するためにしつらえられた調度品で、その起源は、前漢時代までさかのぼります。そこに絵を描くことによって室内を装飾する効果が生まれ、さらに大画面の絵画制作を可能とすることから、多くの作品が残されてきました。
近代に入ってから公の展覧会が開催されるようになりますと、多くの画家たちは、展示効果の大きい屏風の形式に注目、それを会場芸術主義の発表のひとつの理念とした感がします。
本展は、所蔵の屏風作品の中から特に木島桜谷が金地六曲一双屏風に描いた初春、春夏秋冬をテーマにした華麗な6点の作品を中心に、京都画壇の望月玉泉「雪中廬雁図」、望月玉溪「白〓孔雀図」、東京画壇の橋本雅邦「春秋山水」などを展示し、ご鑑賞いただきます。
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