日本には古くから中国の書画が舶載されましたが、特に、鎌倉時代以降、禅宗とともに、宋元時代の書画を中心に数多くの書画が舶載されました。それらは、新たに日本人の美意識にもとづいて、書院や茶室において鑑賞され、今に至るまで親しまれてきました。東山御物に代表される中国の書画の名品の中には、中国には同趣のものが伝わることがなく、日本においてのみ現存しているものも少なくありません。また、明治以降は中国の文人趣味を理想とした日本の愛好家により、唐宋から元明清に至る歴代の書画の精品も、少なからず日本に伝えられました。それらは、中国の芸術の真髄を示すものといえます。
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