日本陶芸史に大きな足跡を残した川喜田半泥子は、明治11年大阪市で生を受けました。家業を継ぎ、百五銀行頭取など財界で活躍する一方、陶芸・書画・俳句・写真など多方面に優れた才能を発揮してきました。
とりわけ、大正初年頃から始めた作陶は、趣味の域をはるかに超え、沈滞していた陶芸界に革新的な息吹を吹き込むことになりました。茶道に対する深い理解、ユーモラスかつ壮大な思念を込めた作品は、ひとつひとつが大きな宇宙とも呼べるふくよかさを持っています。
本展覧会は、今年が半泥子生誕130年に当たるのを記念して開催するもので、茶陶と書画など代表作70点により、滋味あふれる半泥子芸術の世界を紹介するものです。