グラフィックデザインは芸術的な分野であるとともに、商業活動とも深く関わる分野でもあります。現在、政治・経済・メディア等の東京への一極集中化により、デザイン活動も東京を中心に行われているのが現状です。しかし戦前の一時期、大阪は国勢調査において東京を凌ぐ人口の増加を見せ、商都として繁栄していたのです。そしてこの時期関西では、多くの優れたデザイナーが活躍し、関西のデザイン界は活況を呈していました。そのような商都大阪の空気に触れた関西出身のデザイナーたちが、戦後日本を代表するデザイナーとなり、日本のデザイン界を牽引していったのです。
本展覧会では、大阪を中心とする関西が商業活動において、またそれに連動するデザイン活動において、非常に活気溢れていた時代・1920-1940年代を、「衣(着る、飾る)」、「食(飲む、食べる)」、「楽(娯楽、交通)」という3つのテーマを設け、ポスターを中心とするグラフィックデザイン作品やその他の資料など約200点によって紹介いたします。