茨城県水戸市出身の常陸山谷右衛門は今からおよそ100年前、明治時代から大正時代にかけて活躍した第19代横綱です。第20代横綱の二代目梅ケ谷藤太郎とともに「梅・常陸」と並び称され、相撲界に一時代を築きました。常陸山が活躍した時期には、相撲を開催するための屋内施設として旧両国国技館が開館したのをはじめ、さまざまな制度改革が行われ、大相撲は新時代を迎えていました。常陸山は現役中にアメリカ・ヨーロッパを漫遊するなど進取の気風に富む一方、武士道の精神に基づき力士の品位を重んじました。相撲協会の運営で手腕を発揮するとともに、弟子からは3人の横綱をはじめ多くの関取を誕生させています。
今回の展示では、「御大」「角聖」と称されて慕われた名横綱常陸山についてご紹介いたします。