「博物館の水族館」では、コイ、ナマズ、タイ、ヒラメなどさまざまな魚や水生動物に出会うことができます。
会場でひときわ目を引く大きな魚、それは海のギャングとも呼ばれるシャチです。実はこれは、江戸城の屋根に用いられた銅製の鯱ほこで、高さが136cmもあります。反対に小さいものには浅蜊や蜆の形をした江戸時代の根付があります。古いものは、今から3000~4000年も前に土でつくられた貝や亀などです。縄文人たちは、こうした身近な生き物のかたちをした土製器を何のためにつくったのでしょう。
展示されている魚たちは、皿や鉢などの食器をはじめ文房具、装身具、刀の鐔など様々な用途の品々に、モチーフとして表されています。一方で江戸時代には本物と間違えてしまいそうな亀や蟹などの精巧な置物が盛んにつくられました。こうした置物は欧米で好まれ、その後明治時代にかけて盛んに輸出されました。
中国や朝鮮半島、タイやベトナムといった外国生まれの魚たちもいます。
展示はケースを水槽に見立て、まるで水族館にいるかのように楽しみながら一つ一つの作品を鑑賞できるよう工夫しましたので、ご家族連れでぜひご覧ください。