平成16年に子どもたちにも親しまれた「妖怪たち」が、その世界をより一層広げて4年ぶりにかえってきました。人々は、日々のくらしのなかでいつも自然と向かいあい、恐れや不安とともに過ごしてきました。まったくわけのわからないことが起こったり、ふしぎな現象があらわれたりした時、そうした出来事や現象を「妖怪」のしわざと考えました。やがては、それを「オバケ」や「バケモノ」などと呼ぶようになり、そのイメージをつくりあげてきたのです。本展では、当館所蔵の月岡芳年(つきおかよしとし)【1839(天保10)年~1892(明治25)年】の版画「新形三十六怪撰(しんけいさんじゅうろっかいせん)」全作品に描かれた怪異の世界を中心に、河童や天狗など身近な存在ともなった妖怪の多様な姿を併せて紹介し、人々とのかかわりあいを伝えようとするものです。
関連の行事としてのギャラリー・トークやミュージアム・シアター、親子向けわくわく体験のほか、遊びのコーナーでは、妖怪パズルや巨大すごろくなど、夏休み中、盛りだくさんな企画で妖怪ともども多くの方々の御来館をお待ちしています。