細川護熙氏は、600年以上にわたる細川家の18代目として1938年東京に生まれます。新聞記者を経て政界に入り、熊本県知事、また第79代内閣総理大臣を務めるなど、政治家として活躍しました。1998年、還暦を機に政界を引退した後は、神奈川県湯河原の工房「不東庵」で作陶に没頭しながら晴耕雨読の日々を送っています。これまでに手がけた楽、高麗、志野、唐津、信楽などの茶陶は、それぞれに味わい深く国内外でも高い評価を受けているところです。
本展は、陶芸作品を中心に書、漆絵など100点を一堂に展開、その数寄の世界を探ります。岡山県は備前焼に代表される陶芸の盛んな地方であり、また高梁市は、細川藩士古田織部より薫陶を受けた茶人小堀遠州ゆかりの地でもあります。
このように、古の縁を手繰って開催の運びとなりました今展が、これまで茶陶に親しむ機会の少なかった方々への道案内ともなれば幸いです。