様々な美術作品や、歴史資料を目にしたとき、私たちは先ず最初に、これらを直接作った人たちのことを先ず考えることが多いとおもいます。もちろん、画家や製作者は、非常に重要なのですが、他に重要な役割を果たした人々の存在も忘れるべきではないでしょう。桃山時代のように、絵画表現が政治権力と密接に結びついていた時代もありました。江戸時代の洋風美術は蘭学の発展なしには考えられません。そして、近代の収集家たちの情熱が、貴重な作品や資料を今日まで伝えるのに大きく寄与しました。
織田信長、豊臣秀吉、高橋景保、永見徳太郎・・・。桃山時代から昭和まで、画家・権力者・学者・コレクターたちの「伝記」を軸に、日本の異国趣味美術を紹介します。重要文化財「織田信長像」、その信長が建築を許したキリスト教教会を描く「都の南蛮寺図」、長崎派の画家たちの精緻な花鳥画表現、江戸の洋風画家と蘭学者たちの努力の結晶である銅版画などの作品を展示します。