僕は8年前(19歳の時)から絵を習い始めました。スケッチブッ クに教室にあるもの(モチーフ)や本(画集.写真)にあるものを 鉛筆で描きます。描きためたものをコピーしてキャンバスに転 写して油絵具で色をつけます。自由に描いて自由に塗ります。 好きな色を塗って、きれいな絵ができると気持ちいいです。時 々うまくいかないこともあるけど、きれいになるまでがんばり ます。でないと、観ている人に失礼だと思うからです。 2007年11月吉日 細川真吾 補) 川口に生まれ育った細川真吾君が私の教室に来て8年に なる。彼はダウン症候群なのだが、毎日電車に乗って物流セン ターに通い仕事をしている。月3回の木曜日、夜7時からの教 室にほとんど休みなく通っている。疲れからか時々眠そうにし ているが、いつも元気で愛想が良く周りの人に好かれる。 彼のこの人柄も反映してか、油絵は純粋で力強い。大胆な色使 いに目をひかれる。モチーフを選ぶ着眼点も面白い。一見、児 童画のようにも見えるが、大人の鑑賞者を十分に満足させる質 の高い連作である。 この作品達が一つの空間に並んだら素晴らしいだろう。この思 いから細川真吾展の開催を計画し、masuii?R.D.Rの増井さんと の出会いがあり、実現に至ったのである。感謝。 幸琳堂アートスクール講師 伊藤泰雅 (細川真吾略歴) ・1980年川口市生まれ、ダウン症候群 ・1999年幸琳堂アートスクールで絵を習い始める ・2001年頃より油彩画制作開始 ・現在、物流センターで働きながら制作を続ける