鴨居玲が没して早20年が過ぎました。鴨居は自己の内面を鋭く抉り出し、全ての絵が自画像であるかのごとく、内部の燃えさかる光をカンヴァスに描き出しました。1969年昭和会展優秀賞、続いて安井賞という輝かしい賞を受賞後、パリそしてスペインへ新天地を求め旅立ちます。スペイン、ラ・マンチャ地方では村の人々との交流を通し、多くの傑作が生み出され、のちの作品にも大きな影響を与えました。このたびの特集展示では、笠間日動美術館所蔵作品30余点に個人所蔵家の作品を加え、約40作品によりまして、鴨居芸術を回顧いたします。