繰り返される何の変哲もない日常。けれども「変哲がない」と思うことこそが日々平穏に過ごすための幸せな目隠しとなっていて、多くの「変哲」をなかったことにしているのかもしれません。 それは善悪、快不快を問わず、日常の薄布の下に隠された何かであり、存在していることは知っていても、あえて見ないようにしていたり、気が付かないでいたりする何かなのです。 アートはそんな世界の「見えない何か」に光をあててきました。それは日常に揺さぶりをかけ、私たちが取りこぼしてきた何かにもう一度目をむけさせる可能性を秘めています。
2007年秋のアーティスト・イン・レジデンスでは、こうしたアートの可能性についての考察をテーマの出発点としました。 オランダ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、日本から招聘しました4人のアーティストたちの視点は、我々にどんな世界を開くのでしょうか。 会期中は展覧会だけではなく、アーティストとともにその視点を探る様々な交流プログラムやイベントを開催いたします。
[参加アーティスト]
船井美佐(京都府)
ラム・カツィール(イスラエル/オランダ)
ダリボール・ニコリッチ(クロアチア/ボスニア・ヘルツェゴビナ)
山下香里(香川県/東京都)