このたび京都国立近代美術館に、日本の現代版画の代表的作家として国の内外で高い評価を受けている故・池田満寿夫(1934―1997)の版画作品約800点が寄贈されました。これらの作品は、池田満寿夫の長年のパートナーであったバイオリン奏者・佐藤陽子氏と同氏が池田満寿夫と共に運営してきたM&Y事務所から寄贈されたもので、「M&Yコレクション」として当館に収蔵・登録されました。そのすべては池田満寿夫自身が厳選して手元に残してきた作品であり、1956年から1997年までの彼の版画作品をほぼ網羅しています。ここには世界各地の版画展での受賞作品に加え、出版されているカタログ・レゾネに未収録の作品や貴重な豆本のシリーズも含まれており、国・公立美術館としてはその質と数において世界最大規模の池田満寿夫コレクションとなりました。偶然ですが本年は池田満寿夫の没後10年にあたります。
今回の展覧会では、当館の新収蔵作品となった「M&Yコレクション」のお披露目として369点の版画作品を展示し、1960年代、70年代における日本の現代版画の隆盛をリードしてきた池田満寿夫の版画活動の全容を紹介します。