北大路魯山人は、近年のグルメブームの火付け役、あるいは美的生活の早くからの実践者として高い評価を得ています。また陶芸、漆芸、書、絵画、篆刻など幅広い分野で一流一派にとらわれない、強烈な個性を発揮した芸術作品を生み出しています。この雅美あふれながらも豪放多彩な魯山人芸術は、没後50年になろうとする現在もなお、年々その評価を高め、私たちの心をひきつけています。
本展は、公立美術館としては国内最大の魯山人のコレクションを収蔵する世田谷美術館の協力を得て、魯山人を支えた利根ボーリング社の創始者である塩田岩治・サキご夫妻が世田谷美術館に寄贈されたコレクションを紹介するものです。
これらの作品は塩田夫妻によって日々愛玩され、使用されていたものです。陶芸を中心とする作品群により、「昭和の光悦」と称えられた魯山人芸術の精華をお楽しみください。