浮世絵は主に町人が楽しみ、憧れた絵で、庶民の風俗、役者や美人、日本各地の名所などが、色彩豊かに描き出されました。とりわけ、江戸中期以降は、版画技法も発達し、後期に至って、浮世絵は最盛期を迎えました。
歌川広重、葛飾北斎に代表される「風景画」に加え、「美人画」、「役者絵」といった浮世絵三大テーマが確立、さらに幕末には、時代の急速な展開、揺れる世情を反映し、奇っ怪な「妖怪絵」、ユーモア溢れる「だまし絵」(寄絵)、欧米への関心を示す「横浜絵」等、様々な趣向の作品が次々に生み出されました。
本展では、黄金時代における、鳥居清長、喜多川歌麿に代表される「美人画」、東洲斎写楽、歌川豊国らの「役者絵」から、幕末期の歌川広重の名作「東海道五拾三次」、葛飾北斎の「風景画」、歌川国芳の「妖怪絵」等に至る約220点の名品により、活力と創意に溢れる浮世絵の多彩な世界をご紹介します。