いわさきちひろが33歳から亡くなるまでの22年間を過ごした、練馬区下石神井の家の跡地に建つちひろ美術館・東京。ちひろが実際に暮らし、たくさんの作品を生み出したその場所で、「家」をキーワードにした展覧会を開催します。
「家」ということばは、人が住むための建物という意味だけでなく、「家庭」「家族」の意味も含みます。家での生活や家族との時間は、ちひろにとって生活の基本であり、その絵とも切り離すことはできません。子ども時代に親や妹たちと過ごした家はちひろの資質を育み、夫や息子、姑や母と暮らした家は、彼女を強くやさしい大人の女性にしました。本展では、「家」をテーマにした代表作や絵本、自伝『わたしのえほん』や家族のスケッチなどを展示します。また多目的展示ホールでは、下石神井の新築当時のちひろの家の一角を復元、その暮らしをより立体的に紹介します。人間・ちひろを身近に感じ、ちひろの家に訪れたような気持ちで絵に親しめる展覧会です。