鎌倉時代以降、日本には中国から禅宗とともに多くの書画器物が舶載されました。それらの作品はやがて日本人固有の美意識に基づいて鑑賞されるようになり、唐物として書院の座敷飾や茶の湯の道具として用いられてきました。特に足利義満の蔵品を中心とする足利将軍家伝来のものは、東山御物として珍重されてきました。今春、当館の梁楷の出山釈迦図と雪景山水図が、東山御物の最高の品格を持つ三幅対として国宝に指定されました。これを記念して、「東洋の美―唐物」を開催いたします。国宝の青磁下蕪瓶(アルカンシェール美術財団)、重文の猿図(伝毛松)、重文の青磁茶碗(銘 馬蝗絆)などの唐物の名品を心ゆくまでお楽しみください。
<主な出品作品>
国宝
雪景山水図 梁楷筆 南宋時代・13世紀
出山釈迦図 梁楷筆 南宋時代・13世紀
雪景山水図 伝梁楷筆 南宋~元時代・13~14世紀
夏景山水図 伝胡直夫筆 南宋時代・13世紀 山梨・久遠寺蔵
青磁下蕪瓶 龍泉窪 南宋時代・13世紀 東京・アルカンシェール美術財団蔵
重要文化財
猿図 伝毛松筆 南宋時代・13世紀
青磁茶碗 銘馬蝗絆 龍泉窯 南宋時代・13世紀 三井高大氏寄贈