兵庫陶芸美術館の開館を記念する特別展の第2弾として「バーナード・リーチ展」を開催します。
バーナード・リーチ(1887~1979)は、幼少期を日本と香港で過ごし、学校教育をイギリスで受けたのち、1909年 芸術家になる夢を抱いて再び日本にやってきました。11年に渡る日本滞在の間に、楽焼の絵付けを体験したことがきっかけとなって、この頃交流を結んでいた富本憲吉(1886~1963)とともに陶芸の道に入ります。また、柳宗悦(1889~1961)をはじめとする白樺派の若い芸術家たちと交流し、自己の表現を基盤にすえた近代の芸術に目覚めました。
その後、イギリスに帰り、西南部コーンウォール州の漁村セント・アイヴスに東洋風の登窯を築き、イギリスの伝統的なやきものと中国・朝鮮の古陶磁器にインスピレーションを受けた作品を制作しました。
イギリス帰国後も、日本との関係は深く、数度に渡り訪れて、各地の窯場で制作し、個展を開催するなどしています。兵庫陶芸美術館が位置するここ丹波立杭へも、柳宗悦らと1953年にはじめて訪れています。また3番目の夫人となったジャネット・リーチが丹波で修業をし、これがきっかけとなってセント・アイヴスのリーチ・ポタリーで丹波の若い陶工が仕事をするなど、丹波はリーチとの少なからぬ縁を結んでいます。
展覧会では、リーチの陶芸作品約100点に素描・版画を加え、20世紀を代表する陶芸家バーナード・リーチの足跡をたどります。さらに、富本憲吉、濱田庄司、河井寛次郎、ルーシー・リー、ハンス・コパーらの作品を展示することによって、リーチの日本と世界の陶芸界における位置を考えます。