10月1日、兵庫陶芸美術館が篠山市今田町に開館しました。緑豊かな里山にかこまれた当地は、日本を代表
するやきもの、丹波焼のふるさとであり、現在もなお昔ながらの景観をとどめつつ操業を続ける 数少ない 窯業
地のひとつです。
当館では、開館を記念する最初の展覧会として「やきもののふるさと 丹波-名品でたどる800年の あゆみ-」
を開催いたします。
平安時代末に常滑焼や渥美焼などの東海地方の技術を受け入れ成立した丹波焼は、室町時代に入 ると、
次第に独自の作風に変化してゆきます。江戸時代には、焼締陶器から施釉陶器へと大きく転換したことによっ
て、さまざまな装飾技法が加わり、幅広い作品を生み出しました。
このように丹波焼は、外部の技術と在来の技術との融合を図ることで、独自性と多様性に満ちた800年の歴史を
刻んできました。
本展では、当館が所蔵する田中寛コレクション(旧財団法人兵庫県陶芸館所蔵品)を中心に丹波焼の流れを追
いながら、その魅力にせまります。