大正時代(1912-26)は15年という短い間でしたが、大正デモクラシーの気運の中で個人の主観性やロマンチシズムを尊重する気風が芽生え、西洋のモダニズムやアール・デコの影響を受けた独特の文化や芸術表現が花開いた時代でした。本展は、世界的に評価の高いホノルル美術館の日本美術コレクションの中から、人間性豊かでロマンティックな香りを漂わせた大正時代から昭和戦前期にかけての作品を、同館の学芸員が選んだものです。
テーマは「絵画と版画」「装飾美術」「きもの」「大正時代の流行歌の本」の4つで構成され、モダンガールなどの時代風俗を描いた日本画、アール・デコの影響を受けた着物や工芸品など約80点が新たな視点でとらえられています。
2002年にホノルルで開催され、アメリカ国内を巡回し好評を博した作品の数々が、このたび里帰りし、私たちに新たな魅力を与えてくれるでしょう。