松岡コレクションは、松岡美術館の創立者松岡清次郎(1894‐1989)が蒐集した多岐にわたる美術品によって構成されていますが、特に近代日本画のコレクションは、明治・大正・昭和にわたる近代日本画壇に名を馳せた巨匠たちの優品を多く含むことで知られています。
今展では、岡倉天心の理想に沿って日本画の改革を推し進めた日本美術院の横山大観、下村観山をはじめ、戦前の大正から昭和にかけて活躍した東京画壇の池上秀畝、川合玉堂、平福百穂、松岡映丘、吉川霊華、川端龍子や、京都画壇の竹内栖鳳、堂本印象、福田平八郎、また戦後の日本画壇をリードした奥村土牛、山口蓬春、東山魁夷などの作品約35件余りを展観し、明治から昭和にかけて展開した日本画の美の系譜を追うとともに、松岡コレクションの近代日本画の精華をご紹介しようとするものです。